おまちかね、社長インタビュー!
今回は抱月工業の社長のインタビューです!
このブログのために社長にはなんと一時間がっつり話していただきました(^^)
平住、文字起こしがんばりました…!
内容が盛りだくさんすぎるため前後編に分けてお送りします。それでもかなり長くなってしまいましたが、とても面白い内容となっていますのでぜひ最後まで読んでほしいです♪
前編は社長個人についてのお話が中心です。ではどうぞ!
社長インタビュー前編
社長自己紹介
八杉(以下、八):改めて社長の自己紹介をお願いします!
大久保社長(以下、大):抱月工業株式会社代表取締役、大久保尚容。53歳。 生まれも育ちも大阪。 勉強が大嫌いで、高校までしか行ってません。最近はあまりこう言わなくなったけど、馬鹿でも経営ができるってことを証明したいです。
八:似ている芸能人を教えてください。
大:昔ね、20代のときは俳優の陣内ってよく言われた。あの髪型も似てて黒縁メガネしてたから。昔はよう言われた。今はもう誰にも言われへんけど。
八:言われてみれば面影が。
大:昔は痩せとったからな。俺もな。ガリガリやったから20代は。
八:社長の休日の過ごし方を教えてください。
大:今はね今は、えっと…何もしたくない。
八:(笑)
大:今はちょっと。疲れてるから今は何もしたくないねん。
八:何で疲れてるんですか。
大:いや、例えば新工場の検討。それでちょっと大分脳を使ってるから。あとこのコロナのせいで体力落ちてるのもあるわ。運動もしないし、体動かさないもんな。
八:自炊はされますか。
大:ほぼしてない。
八:ご飯はどうされてるんですか。
大:目の前のスーパーに買いに行きます。そこで惣菜を買ったりとか、できるだけ調理しないようにして。
八:食べ物にこだわりはないですか。
大:ない。なんか、お造りか鶏肉しか食べへん。毎日お造りか鶏肉。鶏肉は買って塩コショウかけて焼くだけ。あと米ぐらいは炊くで。米はこだわってるな。
八:勝手なイメージですけど、人間って収入があがる程、何かご飯にこだわりがあったりだとか、住むところにこだわりがでたりすると思うんですけど。
大:こだわり強くはないよ。ただし、一時期食べるものはこだわってた。でももう飽きた。
八:そうなんですね(笑)
大:いやでもずっと何年かミシュランの店とか行きまくっとったから。もう飽きた。
八:ミシュラン行ってたけども、今は鶏肉とお刺身。
大:家で食べることが一番うまいな。やっぱりできたてのお米が一番うまいな。
八:これぞって感じですね。一周回って感がすごい(笑)
ハマっていることは…
八:今はまってることは何ですか?
大:経営かな。経営…組織論かな。組織論。
八:社長に勧めてもらった本も組織の強化とかの本でしたね。
大:組織と経営、経済かな。今ちょうど世の中はパラダイムシフトしていて、地球規模で見ると変化がわかる。でも、日常生活の足元、周りだけで見るとそれは見えない。明らかにもう世の中変わっているんだけど、目の前にいる人たちはみんな気づいてなくって感じていない。それを感じることが楽しい。
八:具体的にどんな変化が最近見てて面白いですか。
大:実は、人が生きているときで変化してない時代ってない。必ず変化してるんだけど、その変化のスピードが今はめちゃくちゃ速い。例えばスマホなんかこの10年で世の中に出てきて、もうスマホがないと我々の生活が成り立たないっていうほど重要になった。
30年前に僕が入社したときって、抱月工業ってパソコンがなかった。伝票全部手書きやった。そろばん使ってる人もいた。電卓でもなく。納品書、請求書の金額も、自分で全部計算するねん。だから僕今もパッと図面見た瞬間にこれくらいの値段やなってわかる。毎日電卓たたいてたから。
それが今電卓叩け、手書きで、って言ったら事務員さんに言ったら怒られるやろ。たった僕みたいな1人の人生の中でもこんなに劇的に変わってるっていうことを、実際起こってるんだけど感じてない人が多い。そう言われたらそうやなというふうにはなるけど、実際感じてない。で、大事なのは、そのスピードって必ずもっと早くなるねん。技術のスピードってどんどん速くなっていく。ということは、 今からさらに3年を想像したときに面白いなと。その3年、5年先を見据えて経営するのが面白い。
だから今だけを、今日のことを考えて経営するのも嫌い。今日って24時間しかないやん。24時間とか1時間のことで頭を使うのは嫌いなんだ。僕は10年先のことでしか頭使えへん。今日のこと現場から言われても、僕全然もう話聞けへん。1日で終わることなんか、 そのために労力使うほど非効率なことないなって。
八:やっぱりある程度長い目で見ていろんなこと想像しながら。
大:そう。だいたい僕の頭の中は3年先5年先のことしか考えてない。
子供のころの夢
八:子供の頃の夢を教えてください。
大:子供のころの夢はえっとね…夢はなかったんじゃないかな。とにかく体動かすの好きやったから、スポーツ、例えばプロ野球とか何でもいいけど。で、食べていけたらいいなと最初は思ってたんだけど。高校の時に、ちょっとそれは無理やなと気づいて。であのときには人生路頭に迷っとったな。
八:もともとスポーツ何されてたんですか。
大:野球とか。まあとにかくね、こう見えてスポーツ得意やってん。球技は何でもできるねん。一通りは。それで何か食べていけたらええなと思ってたけど。
でもこれ学生さんにもよく同じこと言うんだけどね、どうも僕の世代ってバブルの時代の学生だったから、先生からいい高校・いい大学・一流企業、で結婚してマイホーム、これが幸せのストーリーやって教え込まれとったんや。周りの友達はみんなそれで納得するねん。で一生懸命勉強するねん、俺には全くそれが理解できひんくて。それで拒絶反応起こしとって、だからそれで路頭に迷っとってんな。親たちがこうしなさいっていう理想の夢を語るけど、俺は全くそれがもう意味がないと思ってて。興味なかったんや。だから何と勉強もせずにぼーっと。抱月入るまでわからへんかった。だからもうただ単にダラダラしてただけやで。
八:今でこそ社長の考えって結構共感する人がいたりだとか、そういう若者も増えてきてると思うんですけど
大:だって大人の言ってることが間違ってるからな。明らかにおかしいやん。おかしいよ日本って。考え方が。
八:おかしいと思うポイントはどこですか。
大:ただ単なるいい大学、結婚、マイホームっていうのは、なぜその人が幸せになるかって説明がない。
八:根拠がなかったからもやもやしてた。
大:そうそう
社長の趣味は
八:今の趣味を教えてください
大:趣味はほんまに、経営かな。
八:おっしゃってましたね。
大:多分、面倒くさがりやねんな。何かやりだしたら止まらんけど、今は(ほかに趣味を)やろうという気力が出てこーへんな。まあ経営考えるのが一番おもろいな。一番わくわくするな。
八:1人で車でボーッとしてるときも経営のこと考えたりするんですか
大:24時間起きてるときほぼ考えている。
八:経営について考えるってどういうこと考えるんですか
大:次どう攻めようとか、どういうもの作りをしようとか、どういうビジョンを考えるか、とかかな。例えばカンブリア宮殿に出てくる社長の話聞いたら、この人おもろいな、この人のどこどこ盗んだろうとか、どこどこ真似しようとか、うちにどこか水平展開できへんかなとか、そんなことばっかり考えてるな。
チャームポイントは?
八:自分のチャームポイントを教えてください。
大:チャームポイント(笑)、意外に無邪気なとこじゃない?意外に大人じゃないってとこかな。発想が子供っぽいよな。
八:無邪気なのはわかります。
大:まあ言葉悪く言えば幼稚やね。
八:いや、いい意味で。いろんなことにワクワクしたりとか。
大:真面目できっちりした人、スピーチの上手な理想の上司っておるやん、堅苦しい。ああいうのにはなれへんな。型にはまりたくないな。
八:そういうのって周りの人がなんとかしてくれたりしますよね、副工場長もおっしゃってましたけど。副工場長はどっちかと保守的みたいな話しておられて。社長とタイプの違う必要な人材が周りに揃ってくるんじゃないですか。
大:そうやな。うちはほんまに周り、優秀な人材が多いよな。そこはありがたいな。
八:社長に共感して集まってくる人が多いですよね
大:そうなんかな。ようわからんけどな。
社長業の大変さ
八:社長業をするうえで大変やなと思うことはありますか。
大:逆に大変じゃないことのほうがないんじゃないかな。やっぱり人かな。人を動かすのが一番しんどいんちゃう。
八:一般的によく言われるじゃないですか。情報、人、お金って。
大:やっぱメンタルでやられるのは人ちゃうかな。情報なんて別にお金払ったら手に入るし、キャッシュフローもある程度利益が出てたらええけど、人だけはやっぱりしんどいんちゃうかな。
八:具体的な例はありますか?
大:人を動かすって難しくて、例えば方向性があって10人が10人とも同じ方向にむかそうと思っても、絶対否定的なマイナス思考の人がおるねん。それでもその人をどうしたら同じ方向を向くかって考えたときに、今までやったら強制的にトップダウンやったんよな。でもそれはもう多分世の中じゃ通用しないので、ボトムアップと、本人の自らが気づいて主体性を持たすっていうことで動かそうとするんやけど、なかなか浸透せーへん。
これはねどこでもそうなんですけど、やっぱり人を動かすのって難しい。それはやっぱりコミュニケーション能力、スキルだと思うんやけど。それがまぁ自分にはないからしんどいな。これは永遠の課題やと思うね。
八:これからも悩み続ける。
大:多分。僕の場合は多分そこが一番弱いところちゃうかな。
八:今からの課題としてそういうことも直していきたいと思っているということですか。
大:そうそう。僕にメンタルの先生がおるのはそういうことやねん。そこが今一番先生に言われてて、変わるのも難しいところやな。
八:逆に今経営する上で得意分野ってなんですか。
大:経営戦略ちゃうかな。多分戦略は多分人よりは多分たけてると思うな。先を読む力やね。
理想の社長とは
八:理想の社長像を教えてください
大:理想。理想…具体的に言うと、伊那食品工業の大塚さん。あの人、あの人は経営してて楽しいやろうな。ただ憧れるとなったら孫さんやな。孫さん、孫正義さんな。
八:ポイントとしてどういうところに理想を感じるんですか。
大:いやもう、これは説明するのは難しい。伊那食品工業行ってもらったらわかる。ここ社員500人規模やけど全員が会社を好きやねん。
八:なるほど。
大:で、会社のためにみんな動いてる。さっき言ったように、みんなが同じ方向を向いている。あれは経営者としては楽しいやろうな。
八:エンゲージメントが高いというか。
大:高い。日本一幸せな会社と言われてる。有名。トヨタの社長の豊田章男さんは、自分の師匠は伊那食品工業の大塚さんって(言ってる)。トヨタの役員は全員そこに見学に行く。
社長の信念とは?
八:社長として意識している信念があれば教えてください。
大:社長として意識する信念。信念っていっぱいあるからようわからへんな。一番意識してるのはやっぱぶれないってことちゃう。自分がまぁぶれることはないと思うわ。
八:ぶらさない何かポイントとかあるんですか。
大:ぶれると、矛盾が起こる。自分に不安が起こる。ただ、ぶれないって簡単に言うの難しくて、ぶれない経営者っていっぱいおるねん。それはぶれないんだけどその分、ぶれない柱が間違ってる社長がいっぱいおるねん。この柱が間違ってないかどうかは、まめにチェックする。自分の信念が間違ってないか、いろんなことを見たときに、ほんまにそれって正しいかどうかっていうのはチェックはしてる。
一つ間違えばわがままやから。ワンマン経営やから。そのワンマン経営にならないためにも、たまにいろんな本を読んで、自分の考え方信念が間違ってないか、この世の中にちゃんと合ってるかどうかっていう再確認はやっとかなだめ。
八:この時代がバーッと流れてくるなかで新しい情報も入れてくる
大:絶えず。でもまあ、絶対ぶれないのはもう、どの経営者も言ってるのは、「社員を大事にする」っていう、これは絶対ぶれてない。
八:どの時代であれ。
大:お客様と社員は大事。
前編はここまで!いかがでしたか?
社長の人柄が少し伝わったでしょうか?
来週の後編もお楽しみに~!