京都工場

いつの時代も人は草をむしる

梅雨入りした途端、雨が降る回数が減るのは毎年恒例ですね。強めのくせ毛なので私は毎日が戦いです。そして戦いを放棄して負けっぱなしで出勤しています。

雨間の日差しをたっぷりと受け、京都工場の雑草たちは元気に生い茂っています。定期的に掃除当番(※)が草むしりをしているのですが、芝生を整える程度しか追いつかない状況で、草の生命力には圧倒されるばかり。数カ月前までは植えた桜の木くらいしかなかった工場の裏側も、まるで熱帯雨林のような緑に覆われていました。流石にこのままでは負ける。大掃除の後に全員で草むしりをすることになりました。
(※)掃除当番は引き続きゲームで決めています。私は紙飛行機の飛距離勝負が好きです。

最初にくじでチーム分けをしました。合図とともに、それぞれの持ち場に向かいます。私の担当場所は芝生広場周辺でした。

草むしり名人になるべく、植物の様子を観察しながら歩きます。スギナは散り散りに生えている感じで、根っこから抜きにくい。紫がかったネギのような草は、根がミョウガ風に尖っていて全然抜けません。シロツメ草は根を横に伸ばしていて、これも抜きにくかったです。そうかと思えばするする抜ける従順な子もいて、どうしてもその子ばかり可愛がりたくなってしまいました。けれども、めげずに引きまくります。

前日の雨をたっぷり吸いこんだ芝生は柔らかく、子どもの頃に友人宅で出会って憧れていたウォーターベッドに似た感触でした。うっかり剝がしてしまわないようにそっと足を動かしながら、所々に生えている怪しい草を抜きます。駐車場脇で二十年ぶりくらいにぺんぺん草を見つけてはしゃいでいたのですが、後で調べたところ、この時見つけたのはぺんぺん草ではなさそうでした。以前誰かに「これはぺんぺんと音がするからぺんぺん草」と教えられてそう覚えていたら、それも違っていて少しショックを受けています。三味線のバチに似ているから、演奏している時の音に由来しているようです。ひとつ賢くなりました。

工場の奥はまさにジャングルという様相。比較的生え方の優しかったエリアのメンバーたちも集まり、全員で雑草の森に挑みます。引いては投げ、引いては投げ。汗を拭き拭き、いろいろな話をしながら、みんな一心に草むしりをしました。しかし、ジャングルは簡単には部外者の侵入を許しません。たくさん抜いたはずなのに、延々と続く緑。心が折れそうになった時、甘口インストラクターさんがサングラスをかけて颯爽と登場(芝刈り機が似合います)。あれだけ苦戦していたのに、あっという間にきれいになりました。文明の利器に感謝です。

救世主に見えました

実は草むしり中にティアが四つ葉のクローバーを発見。一緒にいた人たちと幸運を分け合いました。なんと中にはパチンコで3万円勝った人もいたとか…私はその週末セブンブリッジを家族でしていた際、配られたカードに7が4枚すべて入っていました。こりゃ宝くじ買うかな、と考えているところです。

戦場の図